※記事内に広告が含まれています。
六月にったので、私が好きな雨にまつわる本をいくつか紹介したいと思います。最後に一本だけ、映画を入れています。
『雨の名前』著:高橋順子 写真:佐藤秀明
乾いた「心とからだ」に心地よい、雨のメッセージ。
世界中で最も「雨」の好きな人種、それは日本人だ。短歌をはじめ、俳句、小説、民謡、はては歌謡曲まで、雨をテーマにしたものは数え切れない。その表現も北と南、都市と農村など生活の場の違いによって多彩な顔をみせる。本書では、古来からの「雨の名前」をキーワードに、詩と短文・写真で、現代日本人の暮らしのネッコに迫る。カラー版で楽しむ「辞典+歳時記+エッセイ+写真集」。
雨にこれだけの名前があるのか! と驚くとともに、言葉の美しさと豊かさを堪能できる一冊です。他に『風の名前』『雪の名前』『恋の名前』もあります。
『死神の精度』伊坂幸太郎
1、CDショップに入りびたり、 2、苗字が町や市の名前であり、 3、受け答えが微妙にずれていて、 4、素手で他人に触ろうとしない。 ――そんな人物が身近に現れたら、それは死神かもしれません。1週間の調査ののち、その人間の死に〈可〉の判断をくだせば、翌8日目には死が実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う6つの人生。 日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した表題作ほか、「死神と藤田」「吹雪に死神」「恋愛で死神」「恋路を死神」「死神対老女」を収録。
私が初めて読んだ伊坂作品が『死神の精度』でした。
仕事をする日は必ず雨が降るので青空を見たことがない死神・千葉と、その対象者である人々を巡る短編集。ミステリーな部分もあり、楽しめました。
「死」をテーマにしながらも重苦しくない作品なのは、冷静だけれどちょっとズレてる千葉のキャラクターのおかげかも。千葉のズレた会話におもわずクスリと笑ってしまいました。
続編である『死神の浮力』もオススメ!
『雨の降る日は学校に行かない』相沢沙呼
スクールカースト、保健室登校…学校生活に息苦しさを感じる女子中学生たちの揺れ動く心を綴った連作短編集。劇的なハッピーエンドではないが希望を感じさせる結末が共感を呼ぶ。(解説/春名風花)
学生時代に感じていた閉塞感をリアルに思い出した作品です。スクールカーストの上位にいるのは、派手で目立つ生徒たち。校則を守ることが「ダサい」と言われていたあの頃。息苦しくて、早く逃げたかったあの場所で、今も戦っている少女がいる。
『虹の岬の喫茶店』森沢明夫
小さな岬の先端にある喫茶店。そこには美味しいコーヒーと、お客さんの人生に寄り添う音楽を選曲してくれるおばあさんがいた。彼女は一人で店を切り盛りしながら、時折海を眺め何かを待ち続けていた。その店に引き寄せられるように集まる、心に傷を抱えた人々――彼らの人生は、その店との出逢いで、変化し始める。疲れた心に寄り添う、癒し小説。
読みやすい文章と上質な物語で、読了後は雨上がりの快晴のように爽快な気分になる作品。 美味しいコーヒーと音楽と、虹の絵。 素敵な場所へ連れて行ってもらいました。
『雨降りだからミステリーでも勉強しよう』植草甚一
雑誌のミステリー紹介コラム「フラグランテ・デリクト」と、監修を担当した海外推理小説のシリーズの作品解説を集めた「クライム・クラブ」の2つをまとめた1950~60年代にかけての欧米のミステリーブックガイド。J・Jにしか成しえない圧倒的な情報が詰まった一冊であり、独特の語り口は、今をもってなお新鮮である。また、当時の海外ミステリー事情の貴重な資料にもなっている。
『六月の輝き』乾ルカ
戻りたい。きらめく光で満ちていた、あの季節へと――。気が強くて元気な美奈子と、病弱で優しい美耶。同じ誕生日、隣同士の家に生まれた二人は、互いに傍にいることが当たり前の「特別」な存在だった。だが、11歳の夏、美耶の持つ「ある力」がきっかけで二人の関係は壊れてしまう。すれちがったまま残酷に過ぎていく月日が、やがて優しい奇跡を呼び……。少女たちを繋ぐ、不思議な“絆”の物語。
『雨の塔』宮木あや子
その岬には資産家の娘だけが入れる全寮制の女子大があった。衣服と食べ物は好きなだけ手に入るが、情報と自由は与えられない。そんな陸の孤島で暮らす4人の少女――高校で同性と心中未遂を起こした矢咲、母親に捨てられた小津、妾腹の子である三島、母親のいない都岡。孤独な魂は互いに惹かれあい、嫉妬と執着がそれぞれの運命を狂わせてゆく。胸苦しいほど切なく繊細な、少女たちの物語。
資産家の娘だけが通える世間から隔離された女子大。なんでも手に入れることができるけど、情報だけは手に入らない。そんな場所で過ごす、様々な事情のある少女たち。 閉鎖された空間での憧れ、恋情、嫉妬、執着。 表紙は砂糖菓子のようにかわいらしいのに、中身には甘く濃密な毒が含まれています。 『雨の塔』のタイトルの通り、暗く重い雰囲気が漂い最後まで重く、晴れ間のないような作品でした。
『青梅雨』永井龍男
一家心中を決意した家族の間に通い合うやさしさを描いた表題作など、人生の断面を彫琢を極めた文章で鮮やかに捉えた珠玉の13編。
事業に失敗した一家が、服毒心中を決意するが、冷たい雨のそぼ降る決行の宵、それぞれの心に悲壮な覚悟をひそめながらも、やさしくかばい合う、その心情を描いた『青梅雨』。肉親の絆のはかなさ、もろさというものを巧みに暗示した『冬の日』。他に『枯芝』『一個』など繊細な感覚で、鋭利に切り取られた人生の断面を彫琢を極めた文章で鮮やかに捉えた永井文学の精髄を収める。
『雨の日のアイリス』松山剛
ここにロボットの残骸がある。『彼女』 の名は、アイリス。正式登録名称:アイリス・レイン・アンヴレラ。ロボット研究者・アンヴレラ博士の元にいた家政婦ロボットであった。主人から家族同然に愛され、不自由なく暮らしていたはずの彼女が、何故このような姿になってしまったのか。これは彼女の精神回路(マインド・サーキット)から取り出したデータを再構築した情報 ── 彼女が見、聴き、感じたことの……そして願っていたことの、全てである。 第17回電撃小説大賞4次選考作。心に響く機械仕掛けの物語を、あなたに。
『雨の降る日はそばにいて』太刀掛秀子
【人は誰かを好きにならずにはいられないと柴ちゃんは言うけれど…】高2女子のみちるはフォークソングクラブの部室で、自分の気持ちにぴったりな歌を歌う転入生の男子、柴ちゃんに出会う。柴ちゃんは初対面のみちるに、メガネを取ったほうが美人になると言ってみちるを怒らせてしまう! せつなくも愛しい青春ラブソング!
「6月のシロフォン」(『ひとつの花もきみに』所収)で『雨の降る日はそばにいて』のその後が読めます。
『言の葉の庭』
こちらはアニメーション映画ですが、雨や公園の映像がとても美しく、定期的に見返したくなる作品です。
以上、雨の日に読みたい本でした。





コメント